ナンピン・・・それは究極の必勝法か、それとも破滅の罠か

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トレード環境・手法
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あなたは「ナンピン」という手法を知っていますか?

ある程度FXを勉強した方ならご存知でしょう。

 

一定の間隔で「買い」を繰り返すことにより、平均購入価格を下げる手法です。

(「売り」でも可能ですが、マイナススワップがかかるため、買いで行われるのが一般的です)

 

例えば、100円から1円間隔で買い下がっていく場合、次のようになります。

 

100円  買い

99円     買い

98円     買い

97円     買い

91円     買い

 

この場合、10回の「買い」を繰り返すことによって、平均購入価格は95.5円まで引き下げられます。

ですから全体で見ると、価格が96円まで回復すれば利益が生じることになります。

 

相場は、ほとんどが一定の幅で上下を繰り返す「レンジ相場」なので、この手法は、有効に働くことがとても多くなります。

 

破滅の罠

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入門書に書かれたとおり「損切り」を忠実に行って「損切り貧乏」となった初心者にとって、損切りをしなくても良いというこの手法は、非常に魅力的に見えます。

かくいう私も、損切りに疲れ果て、「どうせ価格は戻ってくる」という思いからナンピンを行いました。

 

結果、1擊50万円という大損害を受け、退場寸前まで追い込まれたのです。

(詳しい経緯はこちら

 

ナンピンという手法は、買い下がるほどに枚数(LOT)が増えていき、含み損も加速度を増します。

そうなってくると、もはや自分では損切りできない金額まで損害が膨らんでしまいます。

もう、ホントに祈るしかありません。

 

そして、やがて精神が耐えられずにギブアップするか、証拠金維持率が低下して、強制的にロスカットされることになります。

最悪のパターンとして、借金までして維持率を確保しようとすることさえあります。

大きな借金を抱えた、というのは、ほとんどがこのパターンです。

 

「損切りしたくない」という安易な気持ちで使った場合、この手法は、あなたを破滅に導く死神となるでしょう。

 

究極の必勝法?

success

ナンピンで大きな損害を被った私でしたが、ほかにこれといった手法もなく、なかなか諦めがつきませんでした。

そこで、「場当たり的なナンピンではなく、計画的に行ったらどうだろう」と考えたのです。

 

私が大きな損害を出したトレードの場合、120円から買い下がって110円でギブアップしました。

このあと、ドル円は一時100円を割り込みましたが、今は110円前後まで回復しています。

 

私があのままナンピンを続けていたら、平均購入価格は110円程度になるので、損害を出さずに済んでいたはずです。

 

私がそうできなかったのは、資金の問題でした。

そこまで耐える資金が確保できなかったのです。

 

計画的ナンピン

では、資金の範囲内でナンピンを行ったらどうでしょうか。

試しに、110円から1円刻みでナンピンした場合を考えてみます。

 

110円で1000通貨単位買います。

価格が下がって109円になった場合、損失は1000円です。

そこでまた、1000通貨単位買います。

 

こうして買い下がっていった場合、どこまで耐えられるでしょうか。

 

100万円の資金があった場合で計算したところ・・・

 

 

 

66円まで耐えられる という結果になりました。

 

過去の最安値が75.54円ですから、十分耐えられます。

平均購入価格は88円となり、これ以上に回復すれば、LOTが大きくなっている分、相当な利益も見込めます。

 

試した結果

「これはいける!!」

と思った私は、早速トレードを開始しました。

 

100万円なんて持っていませんでしたが、「どうせ負けないんだし、いざとなれば借金すればいいや」という超安易な考えです(^_^;)

 

ナンピンするんですから、エントリーポイントなんてどこだって構いません。

むしろ、下がってくれた方がLOTが大きくなるので儲かります。

 

 

さて、勇んでエントリーしたものの・・・

 

 

 

 

ちっとも動かねえ

( ゚д゚)

 

 

そうです。

ドル円なんて、そう簡単に動きません。

エントリーポイントを中心に、モゾモゾと上下しているだけです。

 

それでもしばらくはガマンしていましたが、やがて・・・

 

 

「こんなに動かねえなら、1円じゃなくて50銭でもいいや」

とナンピンの幅を縮め始めます。

 

それでも相場は動かず、やがてその幅は10銭まで縮まりました。

 

そして、事件は起こります。

 

 

 

指標でドカーンと下落

Σ(゚д゚lll)

 

 

10銭幅ですから、仕掛けていたトラップは全て発動。

含み損もどんどん膨らんで、シャレにならない金額になっていきます。

 

とうてい耐えられるもんじゃありません。

 

 

 

そして、ギブアップ (T_T)

 

 

まとめ

ナンピンという手法は有効か?

と問われれば、「有効だ」と答えるでしょう。

 

ただし、「超気の長い人か、超資金のある人なら」という条件が付きます。

 

特に、資金のある人は、ナンピン幅を狭くして利益を大きく取ることもできますし、買い下がる度に少しづつ枚数を増やしていけば、平均購入価格をより引き下げることも可能です。

また、ポジションが塩漬けになっても、別のポジションをいくらでも建てることができます。

このような人には、ナンピンは「必勝法」と言っても過言ではないでしょう。

 

しかし、私のような資金力も忍耐力もない人間には、この手法はハッキリ言ってムリです。

 

結局、「短期間、低資金でリスクなく儲かる」なんていう手法はないんでしょうね。

 

 

 

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